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2006.06/21 [Wed]
子犬を抱いた特攻兵たち
「月光の夏」の毛利恒之さんが書いた本に「ユキは17歳 特攻で死んだ」(ポプラ社)がある。
少年特攻兵の残した写真に、真ん中で子犬をかわいがる少年兵を笑顔で囲んでいる5人の写真がある。
いまでもその写真から、その5人が出てきても不思議でないような、フツーの少年たち…。
子犬を抱いているのが荒木幸雄伍長17歳。
向かって右が千田孝正伍長18歳。
その後ろが高橋峯好伍長17歳。
荒木伍長の左が早川勉伍長18歳。
その後ろが高橋要伍長18歳。
1945年5月26日午後の鹿児島県万世特攻基地でのスナップである。
写真を撮ったのは「朝日新聞」稲村豊。
そこにどんなエピソードがあったのか、稲村氏の行方がわからなかったため、毛利さんは明らかに出来なかった。
17歳から18歳といえば、高校2年生から3年生である。
本の冒頭に荒木幸雄伍長だけの写真、腕を組んだ写真があるが、本当に「いまの高校生に特攻服を着せて撮ったものだ」といわれても不思議でないくらいである。
彼らはほかの4名の特攻隊員とともに、第72振武隊として5月27日早朝万世飛行場を出撃した。
日本側の記録では「沖縄南部海面」で戦死したことになっている。
ところが毛利さんは、日本側の諸記録の精査、特攻隊関係者の証言、米国側の記録などから、第72振武隊は北緯26度25分、東経128度30分の海面(金武湾の東50キロ)で、レーダピケットラインをはる駆逐艦ブレインとアンソニーと遭遇し、突入したと推理する。
そしてこの日、駆逐艦「ブレイン」(DD630)が特攻機の攻撃(大破炎上)を受けたことを突き止め、そのとき撮影された特攻機の機影から、第72振武隊ののった99式襲撃機であることを確認する。
くわしくは本を読んでもらえればいいが、毛利さんの執念とも言うべき調査力に改めて脱帽する思いである。
昨年、朗読劇「月光の夏」のことで、劇団東演の方にお会いしてお話を伺ったことがある。そのとき、毛利さんの特攻兵たちにたいするすごい思いをきかされていた。あらためてそのことを思った。
ぜひ、この本は高校生たちにも読んでもらいたいと思った。
イラクから陸上自衛隊が撤退することになった。航空自衛隊の強化と引き換えにだが。イラク派兵は、あらためて戦前と陸続きであることを我々に教えていると思う。
そのことを我々が検証しすることは、荒木伍長をはじめとした特攻兵たちへの義務のように思われてならない。
子犬を抱く少年兵
劇団東演
月光の夏
☆きょうも読んでくれてありがとうm(__)m
来てくれた記念にポチッとおねがい!
↓ ↓ ↓
少年特攻兵の残した写真に、真ん中で子犬をかわいがる少年兵を笑顔で囲んでいる5人の写真がある。
いまでもその写真から、その5人が出てきても不思議でないような、フツーの少年たち…。
子犬を抱いているのが荒木幸雄伍長17歳。
向かって右が千田孝正伍長18歳。
その後ろが高橋峯好伍長17歳。
荒木伍長の左が早川勉伍長18歳。
その後ろが高橋要伍長18歳。
1945年5月26日午後の鹿児島県万世特攻基地でのスナップである。
写真を撮ったのは「朝日新聞」稲村豊。
そこにどんなエピソードがあったのか、稲村氏の行方がわからなかったため、毛利さんは明らかに出来なかった。
17歳から18歳といえば、高校2年生から3年生である。
本の冒頭に荒木幸雄伍長だけの写真、腕を組んだ写真があるが、本当に「いまの高校生に特攻服を着せて撮ったものだ」といわれても不思議でないくらいである。
彼らはほかの4名の特攻隊員とともに、第72振武隊として5月27日早朝万世飛行場を出撃した。
日本側の記録では「沖縄南部海面」で戦死したことになっている。
ところが毛利さんは、日本側の諸記録の精査、特攻隊関係者の証言、米国側の記録などから、第72振武隊は北緯26度25分、東経128度30分の海面(金武湾の東50キロ)で、レーダピケットラインをはる駆逐艦ブレインとアンソニーと遭遇し、突入したと推理する。
そしてこの日、駆逐艦「ブレイン」(DD630)が特攻機の攻撃(大破炎上)を受けたことを突き止め、そのとき撮影された特攻機の機影から、第72振武隊ののった99式襲撃機であることを確認する。
くわしくは本を読んでもらえればいいが、毛利さんの執念とも言うべき調査力に改めて脱帽する思いである。
昨年、朗読劇「月光の夏」のことで、劇団東演の方にお会いしてお話を伺ったことがある。そのとき、毛利さんの特攻兵たちにたいするすごい思いをきかされていた。あらためてそのことを思った。
ぜひ、この本は高校生たちにも読んでもらいたいと思った。
イラクから陸上自衛隊が撤退することになった。航空自衛隊の強化と引き換えにだが。イラク派兵は、あらためて戦前と陸続きであることを我々に教えていると思う。
そのことを我々が検証しすることは、荒木伍長をはじめとした特攻兵たちへの義務のように思われてならない。
子犬を抱く少年兵
劇団東演
月光の夏
☆きょうも読んでくれてありがとうm(__)m
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有難うございます。
そして、この文章に出てくる、高橋峯好伍長は、私の出身高校の大先輩(記録上は在学中に陸軍少年飛行兵学校受験合格)です。何と身近な話でしょう。
決して遠い昔の話ではありません。語り継がねばなりません。