土佐高知の雑記帳

四国西南部から徒然なるままに、祖国の右傾化、田舎切りすてに異議申し立てほえる。靖国神社の戦争犠牲者冒涜に怒りの発信!軍需産業=吸血鬼を暴き出すお気楽バンパイア・ハンター(^○^)

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「大逆事件」と日本知識人


1月29日(日)にNHKで放送されたシリーズ「日本人は何を考えてきたのか」の

第4回「非戦と平等を求めて~幸徳秋水と堺利彦」をオンデマンドでみた。

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見慣れた風景や人たちが出ていた。
幸徳秋水については地元出身の人物だからそこそこ知っているが、堺利彦の生き様については初めて知ったことが少なくなく、とても興味深かった。

二人とも社会主義を求める点では同志だが、そこへの接近角度のちがいが興味深かった。
秋水は思想家として自由民権運動、中江兆民の系譜から社会主義に至ったのに対して、堺利彦は愛妻、家族への愛情から社会主義へと至ったことは好対照をなしていた。
女性にたいする考え方、接しかたでは秋水はどちらかというと「古いタイプ」だが、堺利彦は今日フェミニズムにも通じる考え方。

その二人が日露戦争に反対し、社会党結成へと日本の反戦運動、社会主義運動のリーダーとして少数だがスジを通して格闘していく姿が生き生きと描かれていた。

そして明治天皇権力は、彼らの思想を赦さなかった。
「大逆事件」で幸徳秋水はとらえられ、推測有罪で秋水、堺らの縁故のある人たちはとらえられ極刑に処せられる。
山泉進明治大学教授が、宮下太吉が実験したという「爆裂弾」の模型を持ってきていたが、「七味いれ」位の大きさのものでとても殺傷能力のあるものとは思えないチャチなもの。天皇制権力もまともに天皇暗殺を計画したとは考えていなかっただろうが、それを好機として主義者を一網打尽に活用した。

事件の指揮をとった平沼騏一郎が「みっともない証拠は残さない」と手記に書き残したことを紹介していたが、いまなお裁判所からは記録が公表されていないことと併せて考えれば、彼らを有罪とする証拠は国家権力には何一つ残されていないのだろう。
つまり完全な権力犯罪だったのだ。

興味深かったのは、この「大逆事件」にたいする知識人の反応のこと。
国際的な反響を紹介したあとで、三宅民夫キャスターが事件にたいする日本の知識人の反応についてリポーターのクリスチーヌ・レヴィさん(フランス・ボルドー第三大学教授)とゲストの山泉教授に尋ねたところだ。

山泉さんは永井荷風などの例を紹介しながら、「新聞紙条例」などによってがんじがらめにされた当時の言論界の状況を紹介して「発言することはむずかしかった」と弁明するとクリスチーヌ・レヴィさんは「しかし、そうした枠を乗りこえるところにインテリが生まれるのであって、国家の定めた枠内で活動するのならインテリは生まれない」「やらなかったのは事実だけど、できなかったと言い切れるのか?」と切り込む。
それに対して山泉さんは「厳しいね」と応じ、「日本は島国でフランスのように地続きじゃないから厳しかったんじゃないかな」とさらに弁明につくすが、レヴィさんは「いろいろあったかもしれないが、あのときの日本の知識人にとって何が大事だったかは考える必要がある」と。
番組はその後、三宅キャスターが話題を転じるのだが、この問答は大事だと思った。

クリスチーヌ・レヴィさんの父親は、ユダヤ系フランス人。
中国で生まれ、フランスに帰ったが、ナチスドイツに占領され、兄とともにレジスタンスに身を投じた。
その兄はゲシュタポに捕まりガス室へと送られた。
そういう肉親をもつクリスチーヌ・レヴィさんにとって、「大逆事件」に沈黙した日本の知識人が不思議でならなかったのだろう。
ここは日本の人権と民主主義の歴史といまにとって大切な問いかけだと思う。

堺利彦は日本共産党の結成にも参加し、満州事変直後の1933年に没する。
日本共産党は非合法でしか結成できなかったし、「大逆事件」以上の弾圧体制を強化した天皇制政府によって、日本共産党のみならず時の権力に異論をもつ人々は徹底的に弾圧された。

後世から歴史をみれば、歴史には分岐点があったことが分かる。
日本の知識人、言論界の戦前の分岐点は、「大逆事件」にたいする態度だったのかもしれない。
「大逆事件」からいまの「分岐点」を見逃さず、沈黙せず二人の残した理想に向かってすすみたいと思う。


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*Comment

 

加藤周一の「日本人とは」(だったかな?)にも同様のことが自傷的に書かれていました。
当時の知識人は黙るしか無かったと。

それにしてもこの言葉はごもっともです。
>「しかし、そうした枠を乗りこえるところにインテリが生まれるのであって、国家の定めた枠内で活動するのならインテリは生まれない」
国家の定めた枠内で活動するならそれはだだの御用学者ですからね。
そういう人たちって、国家が大きく変わろうとする時や、国家そのものが形を変えようとする時に、無力であるばかりか害にもなります。
ま、そもそも守らなければならないのは国家ではなく我々の社会ですけどね。
  • posted by キンピー 
  • URL 
  • 2012.02/10 12:01分 
  • [Edit]

よい番組でした 

わたしの番組は見ました。とてもよかったです。フランスの女性研究家が幸徳秋水を高く評価いただいていることに感銘を覚えました。                                             2月11日に初めて幸徳秋水さんのお墓を訪ねました。ひっそりとしえちました。資料は図書館にあるとのこと。次回行くことがあれば見てきます。

http://dokodemo.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-8ed8.html



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