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田母神「論文」批判(二)
明らかになる。
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「アメリカ合衆国軍隊は日米安全保障条約により日本国内に駐留している。これをアメリカによる日本侵略とは言わない。二国間で合意された条約に基づいているからである」
「日本軍のこれらの国(朝鮮、中国=引用者注)に対する駐留も条約に基づいたものであることは意外に知られていない」
「日清戦争、日露戦争などによって国際法上合法的に中国大陸に権益を得て、これを守るために条約等に基づいて軍を配置したのである」
「昔も今も多少の圧力を伴わない条約など存在したことがない」
一読すれば分るように、彼にとっては「侵略」という概念は存在しない。
こういう定義をすれば、世界中に侵略なぞというものは存在しない。
そもそも問題の立て方が間違っているのである。
侵略とはある国が外の国の主権・政治的独立を奪うことであって、それが露骨な軍事的支配の形を取ろうが、平和的な装いを取ろうが関係ないのである。
だから欧米のアジア支配は侵略であり、そこからの独立をアジア諸国民は求めて戦った。
日本が戦前やったことは、その欧米のやり方から学び、日本流のやり方で侵略を行ったのだ。
だから、一般的に欧米の侵略とともに、日本の侵略がアジア諸国民から非難を受けているのである。
ここが田母神氏には見えない。
だから「日本だけが侵略国家だといわれる筋合いもない」と開き直る。
誰もそんなことを言っていない。
次のパラグラフにある張作霖暗殺、盧溝橋事件がコミンテルンの仕業というのはトンデモ本の部類である。
少なくとも「論文」という体裁をとるのなら、その根拠となった書名だけを挙げるのではなく、根拠となった部分やそのページ数を挙げるのは最低限のルールである。
それすらせずに、自説を滔々と書き連ねるなどは、およそ論文とは呼ばない(^o^)
盧溝橋事件について、詳しい検証を行っているサイトがあるので、少なくともそれに目を通して頭を冷やすべきだ。
盧溝橋事件中国共産党陰謀説
次の柱である、日本の植民地政策は平和的で穏健だったという論説も噴飯モノだ。
植民地での治安維持、インフラ整備、人材育成、人的融合は植民地政策のイロハである。
欧米の植民地政策に日本型のアレンジを加えたに過ぎない。
五族協和がとんでもない虚構だったことは、戦時中の残虐な植民地支配の実態と、敗色濃くなった日本軍に対する現地住民たちの攻撃を挙げれば、明らかなので繰り返さない。
ここでは「幣原喜重郎外務大臣に象徴される対中融和外交こそが我が国の基本方針であり、それは今も昔も変わらない」とする田母神氏の「論文」に一言しておく。
幣原喜重郎外務大臣の外交は「幣原外交」と言われ、穏健な対外協調外交をさした。
この外交を「軟弱外交」とののしって、葬り去ったのは誰か。
満州事変不拡大策を取っていた「幣原外交」を攻撃し、それを粉砕したのは誰か。
軍部であり、マスコミでありそれに扇動された国民ではなかったのか。
「幣原外交」を投げ捨て、日中全面戦争、太平洋戦争へと突入していったのが、現実の歴史の流れである。
それを「幣原喜重郎外務大臣に象徴される対中融和外交こそが我が国の基本方針であり、それは今も昔も変わらない」とはどういうことか(^o^)。
しかも、大東亜戦争を正義の戦争だったとする軍部と同じ思想の田母神氏がである。
さぞかし、泉下の幣原喜重郎も苦笑していることだろう。
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